「夏目漱石は「自分がない」空虚な状態からどう脱したのか?----「自己本位」の発見」を読んで、そういえばこの本を10年くらい前に読んだ筈だなあと思い出しました。でも当時はあまり印象に残りませんでした。
どういう話だったんだっけと思って、改めて読んでみました。
すると、最初に読んだときと違って、ぐいぐいと心に訴えかけてくるものを感じました。
本の中身は何も変わっていないのですから、10年経って私の方が変わったのでしょう。よくいえば人生経験を積んだ、悪くいえば少々くたびれてきた、というところでしょうか。
この文章は晩年の漱石が若い学生に向けて行った講演です。自分の若い頃をふりかえって若者にアドバイスをするものです。年長者の助言というのは、後になってみないとよく分からないものなのかもしれません。
1867年生まれの漱石がイギリスに行っていたのは1900年から1902年ですから、30代なかばの頃です。自分が同じ年齢で同じ境遇であったらどうかと、今の自分ならばある程度想像してみることができます。文豪をちょっと身近に感じます。
本というのは安易に捨てるものではないと思いました。時を置いて見直してみれば違う発見があるものです。
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