サッポロピㇼカコタンのWebサイトのアイヌ語

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アイヌ文化交流センター「サッポロピㇼカコタン」のWebサイトには、アイヌ語を記すのに使われる特別な片仮名がふんだんに使われています。

といっても、JIS X 0213やUnicodeを使っているのではありません。HTMLのタグで文字を小さくしたり、はたまた画像として作ったり、あるいは所謂「半角」の片仮名で表現したりと、苦労がしのばれます。

名称の「ピㇼカコタン」にしても、「ピㇼカ」の「ㇼ」は日本語の「リ」とは違う発音なので、小書きの「ㇼ」が適当なのです。

ただ、このサイトでは、文字をどういう方法で表すかが不統一なだけでなく、肝心のアイヌ語表記そのものにも方針の不統一が目立ちます。

例えば、pで終わる語について、小書きの「ㇷ゚」で表す箇所もあれば、普通の「プ」を用いている箇所もあるという具合です。

さらに、私はアイヌ語に詳しくないので断定は避けますが、ローマ字綴りもアイヌ語としてあっているのかどうかちょっと疑問に思う箇所があります。楽器の「ムックリ」をこのサイトでは片仮名で「ムックㇼ」ローマ字で「mukkur」と書いていますが、これは怪しい。ローマ字でmukkurが正しいとするなら「ムックㇽ」になる筈で「ムックㇼ」にはならない。そもそも、私の理解が正しければ、「クㇼ」という綴りになるケースはないのではないかと思います。ここは、片仮名で「ムックリ」ローマ字で「mukkuri」が妥当なのではと推測されます。アイヌ語の辞典の著作もある中川裕氏の「アイヌの物語世界」(平凡社)には「ムックリ」と記されています(p.260)。

というような議論をするためにもやはり、JIS X 0213なりUnicodeなりでアイヌ語表記用の片仮名を自由に交換できるようにする必要があるのです。しかしUnicodeを使った場合、一部の文字に符号位置が与えられていないために面倒なことになります。拙著を書くときに遭遇したこの種のトラブルについてはこぼれ話にも書きました。

2000年の時点でベンダが覚悟を決めてJIS X 0213対応を進めていればこういうことにはならなかったのでしょうが(少なくとも、今よりもマシな状態になっていたのでしょうが)、残念なことです。

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