当サイトのメモのセクションに「文字コードを理解するための参考文献」というのを付け加えました。文字コードを理解するために役立つ本を私なりにまとめて紹介文を付けたものです。
私の視点から厳選しているので、「あの本がないじゃないか」というような苦情は受け付けません。(単に、網羅するには私が面倒くさがり屋すぎるだけかもしれません)
のちのち、気が向いたら、本を追加したりするかもしれません。
当サイトのメモのセクションに「文字コードを理解するための参考文献」というのを付け加えました。文字コードを理解するために役立つ本を私なりにまとめて紹介文を付けたものです。
私の視点から厳選しているので、「あの本がないじゃないか」というような苦情は受け付けません。(単に、網羅するには私が面倒くさがり屋すぎるだけかもしれません)
のちのち、気が向いたら、本を追加したりするかもしれません。
最近出版されたダライ・ラマ14世の本から2冊。
『夜明けの言葉』。ダライ・ラマがあちこちで語った言葉をまとめたもの。短い文章を集めたものなので、どこから読んでも良い。こうした形式の本はこれまでにも何冊か出版されています。一冊持っておくと良いでしょう。何に良いのかは、自分で発見してください。
この本に限りませんが、ダライ・ラマが世界に向けて語る言葉というのは、仏教徒限定でもなければ、仏教徒に改宗することを勧めているものでもなく、ごく世俗的な一般的な人々を想定しています。それでいて仏教のエッセンスに基いています。従って、仏教への理解度に応じて様々な読み方ができるものだと思います。
書名の「夜明け」というのは大震災を意識しているのかもしれません。が、本の中には特に明示されていません。
本書にはチベットやブータンの美しい写真が多数掲載されており、目を引きます。
続いてもう一冊。
『ダライ・ラマ こころの自伝』。過去の様々な演説などをまとめたもの。編者はフランス人。子供時代の思い出から、平和への呼びかけ、地球環境問題、そして中国によるチベット侵略に対する告発、その解決のための提案などにわたります。
中でも後半、チベットを占領して動かない中国の政策に対してのいくつもの演説は、絶望的な状況の中であくまで平和的な解決を訴え続ける姿勢に感動せざるを得ません。確かにこれはノーベル平和賞に値するといえます。
チベット問題やダライ・ラマをよく知らない人も含めて、是非多くの人に手に取ってほしい一冊です。
啓蒙されることは読書の醍醐味であると思います。同じものを見ても昨日までとは全く違うものとして認識せざるを得なくなるような、世界がガラリと変わるような体験。俗な言い方をすれば目から鱗が落ちるという感覚。蒙を啓かれたくて私たちは日々読書しているのかもしれません。
疋田智『自転車生活の愉しみ』は、そんな体験を与えてくれた一冊でした。
自転車というありふれた物のことを、私はこんなにも誤解していたのか。世界では自転車をめぐってこんなことになっていたのか。そんな思いでいっぱいになりました。
私が自転車に乗るようになったのはこの本がきっかけです。書店をブラブラしているときに何気なく本書を手に取らなかったら、私は今でも自転車に乗っていなかったか、もし乗っていたとしても非常に間違った乗り方をしていたかもしれません。
本書はもともと東京書籍から2001年に出版された本です。以来10年にわたって読み続けられています。自転車がブームだといわれて久しくなりますが、本書は間違いなくこのブームの火付け役だったと確信できます。
本書の特徴のひとつは、ヨーロッパの自転車先進都市の事情についての記述があることです。この部分、なにしろ10年前のものなので、この10年間の自転車事情の進展の補足が欲しくなるところではありますが、基本的な事項は今でも共通のはずです。特に、街づくりや道路整備にかかわる人には是非読んでほしいと思います。
非常に残念なことながら、今の日本では自転車について正しく理解されておらず、そのことが都市内交通の問題を引き起こしています。そういう現状があればこそ、本書がより一層多くの読者を得るべきだといえるのです。
自転車というものを、駅までラクに行くための簡易な手段だと思っている人には、是非本書を手に取って、目から鱗を何枚も落としてほしいものです。
レイチェル・ボッツマン、ルー・ロジャース 『シェア〜<共有>からビジネスを生みだす新戦略』を読みました。
この本について、byflowのコメントにはこのように記しておきました。
現代社会にはモノが溢れかえっていて、現代人はモノを持ちすぎている。そうなるとモノをひたすら売りつけるだけのビジネスは時代に合わなくなる。昔はモノが稀少であったが故にモノをシェアしていたが、今日はむしろモノが潤沢でありすぎるが故にシェアへの指向が生まれた。ネットの普及が人同士のマッチングを容易にしてシェアビジネスを後押ししつつある。というふうに読んだ。
これにもう少し付け加えてみましょう。
中には、この本に記されているような動向を否定的に見る向きもあると思います。経済が縮小するだけではないか、というように。
しかし、人々の間にシェアへの指向が発生するのには、必然性があるのだと思います。その方が経済的だから、とか、モノの置き場が家にもうないから、とか。
その必然性に逆らうのは難しいのではないか。むしろ、その傾向を前提として新しいビジネスを創造する方が建設的ではないかと思います。
主として米国での動きであって日本には関係ない、という見方をする人もいるかもしれません。しかし、日本が特別だというふうには考えにくいと私は思います。むしろ、狭い住宅でたくさんのモノに囲まれて暮らしている日本人こそ、シェアに向いているのではないでしょうか。日本でまだ足りないものは、シェアしたい人々を効果的に結び付ける仕組み・サービスだけであるように思えます。
消費者に次々と買い物をさせれば繁栄するという思考の枠組みが、時代に合わなくなりつつあるのかもしれません。
まず何はなくとも、『プログラマのための文字コード技術入門』(技術評論社)。まだの方はこの機会に是非。
......と、これだけで終わるのはいくら何でもあんまりなので、関連する本をいくつか挙げてみましょう。
まずは芝野耕司編著『JIS漢字字典』(日本規格協会)。
のっけから困ったことに、この貴重な書籍は今現在、品切れらしいのです。Amazonでは中古品が買えます。中古はややお高いですが、JIS漢字を知りたい方は是非。新品が欲しい方は、日本規格協会に要望を出すとかになるのでしょうか。
次は、安岡孝一、安岡素子『文字コードの世界』(東京電機大学出版局)。
いかんせん10年前の本なので情報が古いことは否めないのですが、日本以外の各国の文字コードを紹介した本というのはほかにあまり (ほとんど? 全く?)ないので、そういう箇所を見るのにはいいと思います。これも品切れで、中古品になります。安く出ているようです。
次は、小林龍生ら編『インターネット時代の文字コード』(共立出版)。
これも、古いことは古いのですが、Unicode以外の文字コードについてはそんなに問題ない時期ではないかと思います。論集の形をとっています。面白い記事は面白いし、また自分にはあまり興味が持てないというのもあったりするでしょう。私は、書誌データベースの話が気に入りました。この本はAmazonに新品の在庫があるようです。
次。三上喜貴『文字符号の歴史 アジア編』(共立出版)。
上にリンクをつけたものの、激しいことに、Amazonでは新品も中古品も販売されていません。どうにかして入手してください、としかいいようがない。アジア編ということで、インド系の文字やアラビア文字などの処理が紹介されています。各地の情報処理事情なども書かれていて、これは年による変化もあるのでしょうが、これだけ調べられているのはすごいことだと思います。
姉妹編として、安岡孝一、安岡素子『文字符号の歴史--欧米と日本編』(共立出版)。
欧米・日本の文字コード、つまりASCIIやJIS X 0208といったおなじみの文字コード規格の成立過程を非常に丹念に追いかけている本。巻末の文献リストは圧巻。記述が20世紀の最後の年で終わっているので、JIS X 0213の2004年改正までは入っていません。
次は、漢字の字体の理解のための本として、江守賢治『解説 字体辞典』(三省堂)。
困ったことにこれも品切れ、中古品もなし、という状況。復活するまでは、次の本をお読みいただきたい。この『解説 字体辞典』に影響を受けた本です。
気をとりなおして、大熊肇『文字の骨組み』(彩雲出版)。
文字の骨組みは、楷書や明朝体活字といった書体によって変わるものだ、というのがこの本の骨子。良い本です。この本によって文字の常識というものを取り戻してほしいと思います。
最後に、Andrew Deitsch, David Czarnecki、風間一洋(翻訳)『Java国際化プログラミング
』。
これも古い本で中古品しかありません。対象としているJDKのバージョンも古いです。が、国際化の考え方や基本的な技法はそう変わるものでないので、役に立つと思います。
佐々木信夫『道州制』(ちくま新書)を読みました。
道州制の議論というと、どういう区割りにするかということがしばしば報じられますが、道州制というのは単に区域を分けるだけのものではありません。著者は区割りの話題に終始する議論に不満があるようです。
著者は道州制が必要な根拠として以下の3つを挙げています。ひとつには、日本を分権国家へと導くため。ふたつめは、広域化時代に対応するため、三つめは、行財政を効率化するため。
本書では道州制のメリットや反論を紹介しています。また、一口に道州制といってもどういう形を目指すべきなのかは議論の分かれる点があるので、どんな道州制が考えられるのかを、外国のケースも紹介しながら取り上げています。それから、日本の中で突出した経済力を持つ東京をどう扱うべきか、そして大都市制をどうしたらいいかという論点も紹介しています。
道州制がなぜ必要とされているのか、何が問題なのか、どういう議論があるのか、を知りたい向きには格好の本ではないかと思います。
山崎元、水瀬ケンイチ『ほったらかし投資術』(朝日新書)を読みました。
投資というと何を思い浮かべるでしょうか。株式、投資信託、不動産、金。自分でやっているという人もいれば、そんなおっかないことは自分にはできない、やらない、という人もいるでしょう。
本書は、投資信託を利用した投資法を紹介しています。それも、インデックスファンドという種類の投資信託を利用するものです。これは、日本の株式ならば日経平均やTOPIXといった市場の指標に連動した運用を目指した投資信託です。インデックスファンドの対義語はアクティブファンドです。アクティブファンドは日経平均などのベンチマークに勝つことを狙って運用されるファンドですが、実際にはベンチマークに勝っているアクティブファンドは多くなくなおかつコストが高いのでおすすめでないというのが本書のスタンスです。
インデックス投資自体は以前から知られている投資法です。本書が特徴的なのは、実際にインデックス投資を実践している一般の人が共著者であることです。この水瀬氏のブログは同種のものとしては大変人気のあるブログです。このブログがきっかけで同書の執筆を手がけるようになったそうです。(余談ながら、水瀬氏と私は同年生まれで勤務先の業種が同じなど共通点が多く、親近感を抱きます)
水瀬氏の「実践編」と山崎氏の「理論編」とから本書はなっています。理論編は、全く初めての人が読むには少々 (かなり?) 難しいと思います。理屈や専門用語の込み入った箇所が分からなければとりあえず飛ばして読んで、結論だけ覚えておき、後日知識が増えてから読み直すという読み方でも構わないでしょう。一方、実践編は初心者向けです。具体的な投資信託を取り上げて良い点などを論評しているくだりもあり、実際に投資する参考になるでしょう。
本書でも触れられていますが、インデックス投資の環境は最近何年かで着実に進歩を遂げています。低コストで国内外の株式・債券に投資できる投資信託やETFが登場し、ネット証券を使うと月々の積立て投資が小額から可能になったのです。
投資というと「以前株式をいくつか売り買いしてみたことがある、でもリーマンショックでひどいことになって慌てて撤退した」というような人は、本書を読んでみると新しい発見があるのではないかと思います。
田村志津枝『初めて台湾語をパソコンに喋らせた男』(現代書館)を読みました。
今日、台湾で国語とされている言語は中国語(北京語)です。それを反映して、台湾旅行のガイドブックには中国語の挨拶や旅のフレーズなどが載っているわけです。
が、地元の人々が日常話す言語としては、台湾語というものがあり、これは北京語ではなく福建省の方の閩南語がベースになっています。何百年も前に福建の方から渡ってきた人々の子孫にとってはこの台湾語が母語であり、中国語はいわば外国語のように覚えるものであるようです。
その台湾語は、文字で書くための決まりがなく、不便をしている。中国語に押されて公用語の地位も得られない台湾語。そんな台湾語を守り伝えるために、台湾人アロンは得意のコンピュータを使って台湾語を学び活用するためのソフトウェアの開発に着手します。
本書は、アロンと台湾語のかかわり、コンピュータに夢中になり、困難なアメリカ留学をはたしてまでのめりこんでいく様などを、台湾事情を織り交ぜながら活き活きと描いています。
台湾事情とさらっと書いてしまいましたが、日本統治時代が終わったと思ったら中華民国に併合されて二・二八事件が起こったりと、外来の支配者の都合に翻弄される台湾の事情とは、そこに生きる人々にとって決して容易なものではありません。元々住んでいた所謂本省人と戦後に中国から渡ってきた外省人との関係など、日本からは想像しづらい機微の一端が本書には伺えます。
言葉に対する思いとコンピュータにかける情熱が好ましく伝わってくる、興味深い読み物でした。
自転車が注目されています。世界的に。理由はもちろん、地球温暖化をはじめとする環境問題が大きいわけですが、それだけでなく、渋滞対策、健康増進(医療費削減) といった面も無視できません。自転車には色々な効果が見込めるということです。オランダやドイツ、デンマークといった一部欧州諸国は20世紀のうちから自転車活用に取り組んできましたし、近年ではアメリカやイギリス、フランスといった国々も自転車政策を始めているそうです。
日本でも2000年代の半ばくらいから自転車ブームだといわれています。本当は一過性のブームなどでなく、地殻変動のような大きなうねり、本質的な変化であろうし、またそうであるべきだと思います。
そういう日本における自転車ムーブメントの立役者といっていいであろう疋田智氏の新刊『自転車ツーキニストの作法』(ソフトバンク新書)が発売になりました。
疋田氏は自転車に関する多くの著作を持っています。その中には、『自転車生活の愉しみ』という、高千穂遙氏や勝間和代氏といった著名人に影響を与えた名作もあれば、『自転車の安全鉄則
』という一冊まるごと自転車交通の安全について書かれた空前の本などもあり、氏は自転車界のオピニオンリーダーというべき存在になっています。
で、その新刊なわけですが、名前からわかるように自転車通勤についての「作法」を語るというものになっています。もっとも、別に通勤でなくても、日常の移動に自転車を使う、あるいは週末に自転車に乗って楽しむ、という場合でも十分通用する話です。
また、交通機関としての自転車について多く書かれているのが特徴といえるでしょうか。短くいえば、今の日本の自転車交通はデタラメであって、直さなきゃいけないことが多いということです。直さなきゃいけないことには、交通行政の問題もあれば、自転車乗り自身の問題もある、はたまた自動車ドライバーの問題もある、と、あちこち問題だらけなので、勢いこのトピックの分量が増えるというものです。
著者は既に何冊もの著書をものしているので、今までの本と同じなんじゃないの、という疑いを、読む前にはちょっと持ってしまったことも事実です。基調となるトーンは既刊の本と共通ですが (そりゃそうだ、同じ著書のいうことがコロコロ変わるわけはない)、さすがに最新の情報に基いた記述になっています。著者の本に親しんでいる人にも新しい発見があるものと思います。
メルマガにおける著者本人の弁では本書は「辛口」だそうです。まあ、いわれてみれば辛口かもしれませんが、面白い方が先に立っています。面白いですよ、この本は。自転車に乗る人、また、交通としての自転車に興味のある人は是非読んでみるといいでしょう。本書がたくさんたくさん売れてその内容が社会に浸透したら、日本の道路はもっと走りやすく安全になるのではないかなあと、私は期待しています。
伊勢﨑賢治『国際貢献のウソ』(ちくまプリマー新書)を読みました。
アフガニスタンで武装解除を行ってきた筋金入りのプロが、国際貢献の通俗的な甘い幻想を容赦なく鮮やかに切っていく本です。
例えば、国際貢献というとボランティアが現地に赴いて汗水たらして工事をしたり穴を掘ったりというイメージ。日本人は実際にこういう貢献の仕方をしたりするそうですが、実際に国際協力のNGOが必要としているのは、現場で働く人でなくマネジメントの人材だと著者はいいます。現場で働くスキルのある人は現地にもたくさんいるのだとか。予算をきっちり管理して、時には容赦なく人をクビにできるような人材が求められているのだそうです。
また、国際貢献は利益を求めてはいけないというイメージ。日本人はそういう観念を抱きがちですが、国際NGOは豊富な資金力を持ち、給料も国連職員と同じくらい出るそうです。日本のNGOは資金力がなく、給料が低いといいます。その裏には日本に寄付文化が根付いていないことがあります。資金力がなければできることも自ずと限られます。著者は日本のNGOがNPO (つまり非営利団体)であることをやめたらという提言をしています。ビジネスとして行うべしということです。
また、国連に対するイメージ。国連は要するに官僚組織であって、いろいろ無駄が多く、現場の活動はNGOがないと成り立たないのだそうです。また国連は国の集まりであることから、各国(特に安保理の常任理事国)の思惑で動いたり動かなかったりすることがあって、平和のために公平に活動しているとはいいがたい面もある。そういうことが具体的な事例にもとづいて書かれています。
そのほか様々なことが、みもふたもない感じで書かれています。実態というものは多くの場合みもふたもないのかもしれません。国際貢献について考えたい人におすすめの本。