北海道の最近のブログ記事

北海道の二面性

| コメント(0) | トラックバック(0)

北海道外の人の抱く北海道に対するイメージというのは、ドラマ「北の国から」のような世界というのが多いように思います。広大な大地と豊かな自然。それはそれで間違っていないのですが、一面的であるともいえます。

北海道の中心都市である札幌は、人口約190万人を抱えます。これは全国で5番目、東京以北では最大の規模です。北海道全体の人口が550万人くらいですから、北海道の人の3人に1人にとって、自分の住む北海道とはまず第一に全国有数の大都市札幌であるわけです。道外の人はそんなことを考えたことはないでしょう。ここにイメージの乖離を見ることができます。

都会の札幌と自然の広がるその他地域という、二面性が北海道にはあるわけです。

人口密度にもこの二面性は現れています。Wikipediaの人口密度の項を見ると、北海道全体の人口密度は47都道府県で最も低くなっています。ところが、北海道の中で札幌市を含む地方である石狩振興局(以前の言い方では石狩支庁)の管内は、都道府県との比較で全国9位に位置します。兵庫県と同じくらいの人口密度なのです。更に、政令指定都市の人口密度の比較でいえば、札幌市は、京都市よりやや低く仙台市よりも高い、12番目に位置しています。人口の多い割には人口密度がやや低いとはいえるかもしれませんが、十分な人口密度を持っているといえるでしょう。(なお、札幌市は南区に人の住まない山地を多く抱えているので、それが人口密度の数字を押し下げていると考えられます)

先月、さくらインターネットの石狩データセンターが開所して話題になりましたが、このデータセンターは北海道のこの二面性をうまく活用しているといえるでしょう。広い土地を安く調達できるという点では広大な大地という側面を利用し、一方、札幌に隣接していて人材や交通手段を確保できるという点では札幌の大都市としての側面を利用しているわけです。

以前、首都圏に住んでいるアメリカ人が北海道に旅行に行ってきた話を数人としていたのですが、このときの日本人(非北海道人)の反応が私には興味深く思われました。北海道に行ってきたと聞いて、日本人の方は広かっただろうというようなことを言うのですが、実際に行ってきた当のアメリカ人にはそのコメントがあまりピンとこない様子でした。いや、都会だったけど、というわけです。その反応を日本人の側がまたいぶかしんでいました。このアメリカ人が行ってきたのは札幌だったし、日本人が抱くステレオタイプとしての北海道のイメージを持たずに虚心坦懐にありのままを見てきたので、偏見に毒されることがなかったのです。下手な日本人よりも余程正確に札幌を見ることができたのではないかと私には思えます。

函館では、五稜郭や、いわゆる西部地区を歩いてきました。

染まる空と海

五稜郭タワーの上で夕暮れ時を迎えました。この日は日没後に空と海が綺麗に染まって見応えがありました。

夕暮れの函館山

夕暮れの函館山。これは五稜郭タワーから函館山を見ているわけですが、函館山から見る函館市内の景色もきっと綺麗だったことでしょう。

赤に染まる函館どっく

五稜郭タワーから見た函館どっく。

夕焼けが綺麗だっただけあって、翌日は気持ち良く晴れてくれました。これは青空をバックにした聖ヨハネ教会。

聖ヨハネ教会

その近隣にあるハリストス正教会。ちょうど、函館湾を船が通っていたのが画面に入りました。

函館ハリストス正教会と船

函館は坂の街でもあります。これは八幡坂。坂の向こうに港と船が見えます。テレビでも使われて有名な場所です。観光客がたくさん来ていました。

八幡坂 (2)

元町公園からの眺めはこんな感じ。今回はとにかく天気のいいのが良かったです。

元町公園からの眺め

これはまた別の坂。弥生坂だったかどうか、記憶が曖昧です。

色づき始めたナナカマド

上の写真をよく見ると街路樹が赤くなりかかっているのが分かるでしょう。この木はナナカマドです。函館が街路樹にナナカマドを使っているのは、かつて大火のあった後、燃えにくい木をということで選んだのだそうです。NHKの「美の壺」でそう解説していました。

和洋折衷2

同じく「美の壺」で知ったのですが、函館の伝統的な建築には、1階が和風で2階が洋風という和洋折衷のものが見られます。これはそのうちのひとつ。斜面の下から見ると1階部分が隠れて洋風の部分だけが見えるようにと設計されているのだそうです。西洋文化の受容に苦心したあとがうかがえます。

和洋折衷3

これもそうしたものの一例。今回5枚ほどこうした建築を撮影しました。 FlickrのSetに入れています。

今回の函館の写真のSetもあります。

北海道の冬の催しといえば札幌の雪まつりが大変に有名ですが、ここ10年くらいで着実に人気の出てきたものとして、「小樽雪あかりの路」があります。雪の街の中に蠟燭を灯すものです。

詳細は公式ウェブサイトで見られます。また、Flickrで「小樽雪あかり」を検索語にして検索するといろいろ写真が出てきます。

さっぽろ雪まつりの特徴が技を凝らした精巧な雪像だとすれば、一方こちらは、わび・さびとか手づくりのあたたかさとかいったものがコンセプトになっているように思われます。といっても私自身は見に行ったことがないのですが。私が札幌にいた頃はまだ無かったんじゃないかと思います。

このイベントの名前の由来は、公式ウェブサイトによると、北海道松前郡の生まれで学生時代を小樽ですごした文学者・伊藤整の「雪あかりの路」という詩なのだそうです。ウェブサイトに詩が引用されているので是非ご覧あれ。大変印象的な詩です。喚起するイメージが素晴らしい。

先人の残したこの詩をバックグラウンドとして共有することが、イベントの精神的支柱となるのでしょう。小樽は良い先人に恵まれたものです。

貧しさの記憶

| コメント(0) | トラックバック(0)

今から十何年前、札幌から首都圏に引っ越してきて目についた違いとして、電車の「優先席」に元気そうな人が座っていることが東京では多いということが挙げられます。

もちろん、座っていた人は、外観から分からないような病気や妊娠だったという可能性もあります。ともあれ、目につく印象としては、札幌ではあまり見かけない光景だったという記憶があります。

これは私一人の印象だけではないようで、ウェブを検索すると同様の感想が見付かります。

中には、札幌の電車で優先席があいているのは、相互扶助の開拓者精神のあらわれだとする説もあります。真偽のほどは怪しいと思いますが、そう思うと悪い気はしない(笑)。

考えてみると、北海道には、開拓時代の皆が貧しかった頃の影響がまだ残っているところがあります。

例えば、結婚披露宴。北海道には会費制の披露宴 (祝賀会) という習慣があります(最近は本州の方でもあるそうです)。これは開拓時代、経済的負担を減らそうとしたことの名残だといいます。

また、百人一首かるたが、北海道では伝統的に紙でなく木札です。これは、昔は紙が高価だったので木を使ったからだそうです (読み札は紙ですが)。

こういう、社会が貧しかった頃の記憶というのは、考えてみると貴重なものではないかと思います。そういう昔に思いをはせればこそ、今日の豊かさに感謝できるというものです。また、豊かさの記憶しか持たないよりは、貧しさの記憶を持っている方が、困難や逆境にも耐えやすいのではないか。

だから貧しさの記憶をとどめるものは社会からなくすべきではないし、あるいは擬似的にでも貧しさを体験した方が人生が豊かになるのではないかとも、私には思えます。

この前函館に行ったとき、実に美味しいホッケをいただきました。

根ボッケという種類のものだそうです。なんでも、ホッケには縞ホッケと真ホッケとがあり、真ホッケの中でも海の底の方にいるのを根ボッケというのだそうです。

これは東京あたりの定食屋などで食べるものとはもちろん、札幌で普通に食べられるものと比べてもずっと美味しいように感じました。私のごく主観的な印象ですが、別次元のうまさです。

ウェブを検索したところ、函館ではこの魚の名前を店名にしてしまった居酒屋まであるようです。それほど美味しいということなのでしょう。

北海道、特に函館でホッケを食べるときは、種類に注意してみるといいと思います。「根ボッケ」だったらたぶん当たりです。

ちなみにホッケは漢字では魚へんに花、「𩸽」と書きます。もともとJIS X 0208やUnicodeにはなく、JIS X 0213で第4水準漢字、面区点位置2-93-44に追加されました。Unicodeにはのちに面02に追加され、U+29E3Dという符号位置にあります。

年末年始に函館と札幌に行ってきました。西日本では雪が多く降っていましたが、函館や札幌は雪も降らず気温もあまり下がらず、穏やかな年越しとなりました。

箱館奉行所

函館・五稜郭の中に、箱館奉行所の建物が復元されました。これは幕末に建てられたものですが、明治維新のためにわずか7年後に解体されたというもの。内部を見学すると、可能な限り忠実に復元するよう努力されたことがわかります。

Russian Orthodox Church in Hakodate / ハリストス正教会

定番の観光地、異国情緒の代表格、函館ハリストス正教会。地元ではその鐘の音からガンガン寺という愛称で呼ばれているそうです。この教会はギリシャ正教ですが、すぐ隣にはプロテスタントの聖ヨハネ教会があるかと思えば向かいにはカトリックの教会があり、至近距離にはさらに仏教の寺があってと、いろんな宗教・宗派が仲良く混在しているエリアです。

Old Public Hall of Hakodate Ward / 旧函館区公会堂

これも定番、旧函館区公会堂。ハリストス教会からも近くです。この付近一帯は見所の宝庫です。

Sapporo White Illumination / ホワイトイルミネーション

札幌ホワイトイルミネーション。大通公園で1981年から行われており、もう30年にもなります。なんとなく西2丁目・3丁目でやってるイメージが強かったのですが、今年は4丁目に新しいのがお目見えしたそうだし、実は1丁目から8丁目まであるそうです。その辺の事情をよく知らないで行ったので、ちょっと見落しが多かったように思います。次回はWebサイトで下調べしてから行こう。

Sapporo TV Tower in winter / 冬の札幌テレビ塔

大通公園の東端、札幌テレビ塔。

Ōdōri park in winter / 冬の大通公園

冬の大通公園はこんな感じ。

Funky snowman / しゃくれ雪だるま

街行く人が作っていったのだろう、こんな雪だるまも見かけました。

Tongue / ペロッ

札幌・円山公園にある円山動物園は、年末の休みのあと、元日から開園しています。雪の中のホッキョクグマを見られないかと期待していたのですが、なんと出産のためお休み中とのこと。かわりといってはなんですが、オオカミなどを見てきました。オオカミは雪の上で元気でした。

オオカミのじゃれあい

じゃれあうオオカミ。痛くないのかな...。

Eating / まるのみ

アザラシの餌やりタイムに出食わしました。見物客のいるすぐそば、雪の上で餌やりしていました。子供にも餌やり体験をさせていました。

カーリング

アザラシが雪の上をぽよんぽよん歩くところを間近に見られました。こうして見るとカーリングの石のようです。

Raccoon dog / エゾタヌキ

エゾタヌキ。毛皮のせいか、貫禄があるように見えます。

まだらのウサギ

干支企画ということで、ウサギをとりあげていました。この企画、来年はやるのかな...。

雪の動物園といえば、旭山動物園のペンギンの散歩などが有名ですが、ここ円山動物園もなかなかいいと思いました。

今後は、ホッキョクグマの子供が無事に育って、デビューしてくれるといいと思います。

新幹線の威力

| コメント(0) | トラックバック(0)

東北新幹線が新青森まで延びます。これによって、東京―新青森は3時間20分で、今後「はやぶさ」が導入されると3時間10分で結ばれるのだそうです。

これがどれくらい速いかというと、北海道でいえば、札幌から特急で函館に行くのより少し速いくらいの時間です。札幌を出て函館に着くまでの時間で、東京から青森まで行ってしまうわけです。やはり新幹線は速い。

北海道出身の私としては、早く北海道新幹線ができてほしい、それも、札幌まで延伸してほしいと、強く思います。

よく考えてみれば、札幌というのは東京以北で最大の都市である。全国で見ても、第5位の人口を持つ都市である。そういう国内有数の大都市に新幹線が通っていないうちは、日本の新幹線は甚しく未完成のままだと思うんですね。

でも本州の人はそうは認識していない。北海道というと全部「北の国から」の世界だと思っている。札幌が190万もの人口を抱えているなんて知らない。札幌から修学旅行で青森に行ったら、若いバスガイドさんが「皆さんの中で牛を飼っているお宅はどれくらいありますか?」とのたまって我々生徒が爆笑したことは今でも忘れられません。地理的に近い青森でさえそういう認識なんです。

それはさておき、北海道新幹線ができたら、北日本間の交流が進むことは間違いがないでしょう。現状では、北海道と東北の間は距離的には比較的近いにもかかわらず、函館など一部を除けば飛行機で行くしかない。今まで飛行機で行くしかない札幌と仙台の間が新幹線で行けるようになれば互いにぐっと身近になる。そうすれば、北日本全体の活性化につながると思います。

函館を拠点として、江差や上ノ国の方をぐるっと回ってきました。私にとっては初めてのエリアです。

カモメ島の岩

日本海に面した町、江差町には、カモメ島と呼ばれる島があります。島といっても実際には陸続きなのですが。このカモメ島は海水浴などの行楽に親しまれているようです。

この岩はカモメ島にある岩で、瓶子岩(へいしいわ)と看板が立っていました。岩にはしめ縄がかけられています。

カモメ島にあった船

カモメ島と本土の間にはこんな船がありました。これは何でしょう。

カモメ島の高台

カモメ島は高台になっています。江戸時代だか明治時代だかには砲台もあったそうです。島の上は海が見渡せる気持ちのいい場所になっています。この日はあいにく曇っていたのですが、晴れていれば、空と海にきれいな青が広がるのだろうと思います。

カモメ島の灯台

カモメ島の灯台です。階段がついている部分は登ることができます。

上ノ国の道の駅そばの風景(日本海)

こちらは、江差の南にある上ノ国町で撮った写真です。上ノ国の道の駅のそばの海岸から、岩と日本海を望んだ図です。ここの道の駅は「もんじゅ」という名前がつけられていました。なぜもんじゅ?

ちなみに上ノ国町には「天の川」という川があります。どうも本当は「天野川」と書くようなのですが、いずれにしても声に出したらアマノガワですね。

上ノ国の道の駅の近くの鳥居

この道の駅は海面から高いところにあるのですが、階段がついていて降りていくことができます。降りて行った先は岩場で、魚釣りにいいのかなという雰囲気が漂っています。岩場の道を歩きつつ、ゴツゴツした岩場を見上げたら、風雪に耐えてきたような鳥居が目に入りました。どういう神様がいらっしゃるのでしょうか。

小樽散歩

| コメント(0) | トラックバック(0)

北海道で小樽に行ってきました。その際の写真をいくつか。

小樽運河の写真

おなじみ、小樽運河です。定番の写真撮影位置。日差しが強かったので日傘をさしている人が多く、ちょっと花が開いたみたいでもあります。灯りの上にとまっている鷗は作り物ではありません。本物です。

小樽運河の倉庫の写真

小樽運河沿いの倉庫はこんな感じです。

小樽水族館の亀

小樽水族館にも行ってきました。これは飼育されている亀。右手がないのが見て取れます。傷ついていたところを保護された亀なのだそうです。

小樽水族館のトド

小樽水族館のトド。目を丸くして吠えています。トドやアザラシが飼育されているのは、海の一角を区切ったような場所です。塀の向こうは日本海というロケーション。海と地続きというか水続きとでも言うべき格好で、なんだか面白い。

小樽オルゴール堂の写真

2つ前の記事にも載せましたが、小樽オルゴール堂で撮った写真です。中国語を話す人の観光客が目立っていた印象でした。オルゴール堂に書いてあった説明では、中国では北海道を舞台にした映画がヒットして、それで中国から北海道への観光客が増えているのだそうです。

北道邦彦「アイヌ語地名で旅する北海道」(朝日新書)は北海道の様々な地名のアイヌ語語源を考察している本です。単にこの地名はこういう意味だと説明するだけでなく、アイヌの地形把握の方法にまで踏み込んでいて、なるほどと思わせます。アイヌにとっては川が重要で、川を遡った先にある山の名前は川に関係がある、といったことなどです。

また、間違って認識しやすい地名も取り上げられています。例えば、知床はアイヌ語で「地の果て」だとする説を結構見かけますが、これには問題があって、「地の先」と解釈する方が適切だそうです。あるいは、山名のニセコアンヌプリというのは「ニセコ・アンヌプリ」と分けられると思いがちですが、アイヌ語の文法に即していうなら「ニセイ・コアンヌプリ」となるのだそうです。

さて、この本ではアイヌ語を片仮名で表記しているので、通常の日本語表記用とは異なる片仮名が頻出します。例えば、小さく書くㇻㇼㇽㇾㇿなどです。コンピュータ上の文字コードとしては、2000年制定のJIS X 0213において、これらの字のコードが決められています。JIS X 0213に対応したソフトウェアならこうした字が使えるのです。

同書のアイヌ語の片仮名を見ると、必要に応じて小書きの片仮名を使っています。しかし、字のサイズが、「ッ」のような普通の小書きの片仮名と釣合いがとれていないのが気になります。

例えば、p.115で「シレトコ アナㇰ シレトッコㇿ!」(知床は美しい!)と書かれていますが、後半の「ッ」と「ㇿ」を見比べると明らかに「ㇿ」の方が小さく、バランスを損なっています。「ㇿ」などの小さな字を特別に用意したのでこうなったのでしょうか。

また、「ト゚」(半濁点付きのト)における半濁点は、妙に大きくなっています。用意されていない活字なので何か間に合わせで作字したのでしょうか。例えばp.213に「パンケ ト゚エ ピラ」と書いてありますが、「パ」や「ピ」の半濁点と比べて「ト゚」の半濁点が明らかに大きく、バランスを損なっています。

印刷にいつでも使える文字として、JIS X 0213の文字が網羅されていれば、「ㇿ」や「ト゚」なども他の文字とのバランスを考慮してデザインされ、読者に違和感を与えずに済んだかもしれません。やはり、JIS X 0213をサポートすることが大変大事であるように思えます。

なお、Unicodeでサポートしようとすると、上記の「ト゚」や、ほかにもアイヌ語で頻出する「ㇷ゚」などは単一の符号位置でなく、結合文字を使って2つの符号位置の組み合わせによって1文字を表現する必要があります。「ト゚」ならU+30C8 U+309Aという列になるという具合です。プログラミング上、注意が必要です。

最近のブログ記事

だから北海道新幹線が必要だ
先日、新千歳空港で羽田行きの飛行機に乗ろ…
等澍院
どうやって行き着いたのか忘れてしまいまし…